好きになった方が負け。
次の日の夕方。


とうとうお父さんとお母さんが、帰る日がきた。



思えば、最初はここに来ることを反対されてたんだよな…。


地元の大学に落ちて、なんとかお父さんを説得して、県外にあるこの大学に来た。

やっと進路が決まったときにはもう2月の半ば。

特に夢もなく、ただ英語が好きだからという理由。

先生に紹介してもらったとあって、この大学の存在すら知らなかった。











「まぁこれから頑張りなさい」

普段そんなこと言わないくせに、こうゆう時にだけ言われると、なんだか急に淋しくなる。


その隣で、かすかに目を赤くしているお母さん。
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