恋の宝石箱《鳴瀬 菜々子のオムニバス・teenslove短編集》



うわ。
………かっ。…可愛いんですけど…。

俺は彼女の髪をそっと撫でて、緩む頬を引き締めもせずにいつの間にかニコニコしていた。

俺と君は、いつでもこうしてゆっくりとしてきたね。
そんな二人の日常に、物足りなさを感じつつも、実は俺もしっかりと癒されてきていた。

ねえ、あゆ。
君とこうしてこれからも過ごしていきたいけれど。
時には、少し、刺激的なのもいいんじゃないか?


「……今日は……うち、親いないよ?」

彼女に言ってみる。

「………。
じゃあ、………泊まる。」

あれ。

素直じゃん。

いつもなら、『だから何よ』とか、『そんな事ばっかり考えて』とか。

「あゆ?…無理しなくていいよ」







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