恋の宝石箱《鳴瀬 菜々子のオムニバス・teenslove短編集》


は?何だって?
他を当たれ?

こいつ。マジで言ってんの?
俺がお前なんか相手にするかよ。
美味そうに食べるから面白くて見ていただけだ。

「あのなぁ、…」

そう言いかけた俺を立花が見上げた。

………え。


初めて正面から彼女を見て俺は言葉を失った。

眼鏡の奥のキラキラ光る目。
くっきりした二重を縁取る長い睫毛。

こいつ……、もしかして、……かなりのレベルの美少女なのでは?


「何ですか、言いたい事があるなら言って下さい。私は今見たことは口外しませんから。ただ、あなたが手っ取り早く私を次の遊び相手に、と思ってるならそれはやめてほしいだけよ」



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