恋の宝石箱《鳴瀬 菜々子のオムニバス・teenslove短編集》


「司!違う!」

私は思わず大きな声を上げた。

「ここで待っててリベンジしようなんてサムい事を考えてた。
良かったよ、二人が一緒にいて。

友達のオンナにちょっかいなんて出したら、俺は自分が許せないところだったよ」

自嘲気味に笑いながら話す司を唖然と見ていた。

本気で………本気で誤解してんの?
私と中野が付き合ってるって?

違うのに。
私の心にはあんたしかいない。
司の笑顔一つで何日も元気に過ごせる、そんな私と、…中野が?

あり得ない。
そんな誤解を本気でするのなら、…あんたの気持ちはきっと本物ではない。
…ちっとも私を見ていない。
私を分かってないよ。



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