恋の宝石箱《鳴瀬 菜々子のオムニバス・teenslove短編集》



気が付けば、勇樹くんとの関係について上杉くんにブツブツと愚痴っていた。

彼も本を並べながら私の話を聞いてくれていた。

「やっぱ、そうよね!
いや、少し実は思ってたの。
勇樹くんは私の事なんてそんなに好きじゃないのかも、なんて」

「うーん……。好きでもない子をわざわざ彼女にしないでしょ。
まあ、あまり悪く考えない方がいいよ。

それか、確かめてみたら?
本人にズバリと訊いてみたらいいじゃん。
"本当に私が好きなの?"って」

………!

「や、!駄目だよ!
嫌われちゃう!そんな事、訊けないよ!」

…じゃあ、別れよう。
そう言われてしまう。
絶対に面倒臭いと思われちゃいけない。


「……うーん。言いたい事も言えない彼氏なんて。
何だか、岩崎さん、かなり無理してるね」






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