恋の宝石箱《鳴瀬 菜々子のオムニバス・teenslove短編集》
………なーんて、勇樹くんの反応は初めからイマイチだったよな。
まあ、優しくはしてくれてるけど……。
もっとこう、イチャイチャとか…したいじゃない?
だけど解ってるよ。
勇樹くんはまだ私の事を本気で好きな訳じゃない。
私の"ノリ"に合わせてくれてるだけだよね。
これ以上贅沢なんて言ったらいけない。
「…あ!」
「どっ、……どうしたの?」
急に思い出して思わず大きな声が出る。
隣で上杉くんが驚いた顔をしている。