恋の宝石箱《鳴瀬 菜々子のオムニバス・teenslove短編集》


「おいってば!千秋」

………は。

「あ。え、え?何?」

慌てて勇樹くんを見上げる。

………!

うっ。更に、目が怒ってる。

「あのね、……ごめんね。
私、勇樹くんの友達と付き合うとか、無理だよ。
…大したものも、…持ってないし…」

「は?!」

「え?」

あれ。…違うのかな。
ん?


――「お前は」

「……はい。」

「……バカだよ、本気で」

「うん。……何も思い付かないの。
勇樹くんが何を欲しがっているのか。
分かんない」

「………お前だっつぅの」

「は」

「…千秋の…本心が知りたい。
お前が言いたい事を全部聞かせろ」






< 38 / 130 >

この作品をシェア

pagetop