恋の宝石箱《鳴瀬 菜々子のオムニバス・teenslove短編集》
「……はあぁ…。ダメだ…。
やっぱ、好きだなぁ…」
ねえ、お兄ちゃん。
何で私は妹なの?
お兄ちゃんに一番近くて
………一番、遠い。
――「あった!ここよ。楠会長の家!
待ってたら帰って来るかなぁ」
「ね、何て誘うの?
少し話しませんか、って?」
「そうね。いきなりカラオケ行きましょうとかは会長、引くかもね」
「じゃあそこの公園に来てもらおっか」
「そうね。
でも、もう帰ってるかも。
チャイム鳴らしてみようよ」
「私が?!恥ずかしいよ」
「バカね、誰が鳴らしても同じだよ」
…………。
また、このテアイの女子が家まで押しかけて来た…。
大勢で迷惑なんだよね…。