恋の宝石箱《鳴瀬 菜々子のオムニバス・teenslove短編集》


「ブラコンじゃない!!何よ!
嫌い!自惚れ屋!!」

ダダッと階段をかけ上がる私を、咄嗟にお兄ちゃんが追いかけてきて腕をバッと掴まれた。

「いや!何?!」

そのまま、階段の踊り場で抱き締められる。

嘘!!!何、これ?!

突っ込むのも忘れて、私の身体が硬直する。

「…うそ。ごめん。
ブラコン、じゃなくて、…俺がシスコンなの」

え。
何?
えええ〜〜〜〜〜?!


「楓……。
もう、いいんじゃね?
お互いに隠すの、しんどいだろ。

お前も……俺が好きだよな?…なっ。」

なっ。……って!!!
そ、そうだけど、………。
何、これぇぇぇ!!!






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