恋の宝石箱《鳴瀬 菜々子のオムニバス・teenslove短編集》
いつもいつも、思ってた。
お兄ちゃんと、気持ちが通じたならいいと。
叶わない夢を想像しては、幸せを感じていた。
だけど……いきなり現実にコレはあり得ないでしょ?!
しかも……お互いに、って!
お兄ちゃんも私を妹として以外の目で見ていたの?!
いや、…だけど…やっぱり…!!
――ドンッ!!
「何言っちゃってんの?!お兄ちゃん!!
駄目だよ!!あり得ない!!」
私はお兄ちゃんを突き飛ばした。
「楓……。俺は……」
「お兄ちゃん、目を覚まして!
私は…妹だよ?!」