恋の宝石箱《鳴瀬 菜々子のオムニバス・teenslove短編集》
case5 アオ恋




――「課題の提出日は明日までなので忘れないようにして下さい。
今日持ってきた人は今集めますから私のところまで持って来て下さい」



――分かってる。どうにもならない事くらい。



「あ、それと各種委員会が本日放課後に定例会なので委員の人は忘れずに出席して下さい」



――俺なんかがどれだけ君を想っていても、きっと君の目にも留まらない事くらい。



「これで本日のクラス委員からの報告は終わりです」



壇上から席に戻る海ちゃんと共に俺の目線も彼女を追って動く。



キラリと涼しげな清楚な瞳。
動くたびにサラッと揺れる長い黒髪。
しなやかで細く白い身体のライン。

君を取り巻く全てに釘付けの、俺の日常。


だけどね。時々思うんだよ。
ひょっとしたら。
俺と君は、近い将来、恋に落ちるんじゃないかって。

だって君は、高崎 海。
俺は、宇田川 空。

海と空だなんて、とても素敵な組合せだろ?






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