恋の宝石箱《鳴瀬 菜々子のオムニバス・teenslove短編集》
俺に……頼み…?
「あの……何?」
何だ…?
海ちゃんが俺にお願い事をするだなんて。
「……いいのよ。ごめん。
部活、頑張ってね」
うん。
頑張るよ。頑張ってるよ。
君のその一言で更にやる気が出てくる。
「高崎さん、…言ってみて?」
「え。……あの」
「ほら。さあ…」
俺は一歩ずつ海ちゃんに近付いて行った。
「嫌なら断って。……あのね、」
「うん」
「私と……付き合っているフリをしてほしいの」
「………は」