恋の宝石箱《鳴瀬 菜々子のオムニバス・teenslove短編集》
「モテてるよ。
私も素敵だなって思う。
優しいし、顔も綺麗で、背も高くて……」
うわわわ!!
「わっ!分かったよ!やるよ!やる。
彼氏の………フリね」
………あ。
思わず引き受けた。
「本当に?……よかった…。
私ね、……みっともないんだけど、あの人からだけは同情されたくないの」
「………」
再び涙を滲ませてそう言いながら無理に笑う海ちゃんに、俺はそれ以上の事は聞けなかった。