恋の宝石箱《鳴瀬 菜々子のオムニバス・teenslove短編集》


触れ合うだけの優しいキスが、俺と彼女の距離を次第に縮めていくような。

青が混ざり合い、深くなるような。

そんな気がしていた。



「………海ちゃん……」

「……宇田川くん。
私ね…、信じてなかったの。一瞬で好きになれるなんてあり得ないと思ってた。

……自分が経験するまではね」


「……え……?」


「真似事はやめるわ。
だって……本気になってしまったもの。

………さっきの告白。信じていいの?
あれはお芝居だったの?」






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