東條くんのとある1日
AM11:00



「じゃあここは?えーっと、東條。わかるか?」


そう言って先生が東條くんを見た次の瞬間、わかりやすく先生の眉が歪む。




「東條ー!起きろー!」

「………………。」

「問3の答えは?」

「……。4sinθ」

「、あってるな。よし」




もそもそと頬杖をついてだるそうに黒板を見る彼に数学の先生が小さく唸っていた。


なにせ答えはあってるし、授業なんて必要ありませんと言わんばかりの態度も注意できないのだ。


そしてそんなやりとりを見て教室の片隅でまた小さな歓声があがる。東條くんってほんとにモテるなー。


私にはちょっと謎だ。このひとがものすごくかっこいいのはわかる。とてつもなく綺麗なのもわかる。

でも東條くんは学校じゃ喋らないし寝てるしそのわりに成績いいし、帰宅部だけど運動部より運動できるし。

……、あれ?東條くんってもしやとてつもなく嫌味な人間じゃないだろうか。ますます彼がモテる理由が謎。



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