東條くんのとある1日
この距離で!?と言うかあなたも私も授業中ですけど!!
わたわたと着信の文字に焦りながらも東條くんを見れば。斜め前の彼が一瞬だけ愉しげに笑ったのが視界に入った。
そして不意に着信は途切れて。そのことにほっと息をついてばくばく言う心臓を落ち着かせた。
しばらくして再び携帯が揺れたかと思えば今度は新着メールの文字。
【ばーか(。・△・。)!!】
「(ばーか!?)」
てゆーか顔文字かわいいな!どうしようきゅんとしたいけどしたくない文面だ!
ええー。なにこの理不尽な攻撃。さっきの着信といいこのメールといい、なにか精神的ないじめに近い気がする。
じとっとした視線でだるそうな後ろ姿を睨めば、なにか感じたのか東條くんはくるりと振り替えって。
「!なっ、」
真っ赤な舌をべっとこっちに向けてからまたくるんと前を向いてしまった。
な、なぜ周りは誰もあの一瞬を見ていなかったんだ…!
どこがクールキャラ!?と疑いたくなるほどの意地悪いあの表情を!
とりあえず返信打とうとを机の下で携帯をいじる。ふん。私だって負けないんだからね!