東條くんのとある1日
PM2:00
自分の名前が好き。あ、ちがう。東條くんに呼んでもらうときの自分の名前が好き。
私たちは学生で1日の半分くらいを学校で過ごしてるわけだけど、学校ではあんまり名前で呼んでもらえない。
だからその“たまに”がたまらなく嬉しい。私ってポジティブだなー。
「ね、これどうする?!」
「男子にあげる?」
「やーむりむり!!」
ちーん。テンション高めの女の子たちにうんうんと頷く。
今は自由科目とかいうやつで、体育とか美術とか家庭科とか選べる月1回のお楽しみだ。
うちのクラスは女の子のほとんどが家庭科を選んで、ほっかほかのカップケーキを焼き上げた。すばらしいです。私はエプロン着ただけだったけども。
そして男子はほぼ体育…、体育なんて普段もいっぱいあるのに。サッカーを校庭で楽しそうにしてた。
家庭科室から校庭はよく見える。男子と楽しそうにじゃれる東條くんのレアな笑顔にみんな釘付けだったのは言うまでもない。