東條くんのとある1日
東條くんがゴールを決めたときなんて歓声がきゃーきゃーすごすぎた。
サッカー部3人を含む6人をごぼう抜きしてそのままシュートなんて。そりゃもうすごい。
彼氏が抜かれてるというのにきゃーきゃー騒ぐ彼女たちは幸せそうで、さらに言えば先生に叱られなかったのは先生も見てたからに違いない。
「東條くんは?」
東條くん、のキーワードではっと我にかえれば焼き上がったカップケーキをラッピングしてた女の子が言う。
「もらってくれるかなあ」
「えー。食べ物はもらわないからって言いそうだけど」
「でもあげたいよね…!」
「あげたいあげたい!!食べてほしいー」
「おいしい、とかあの笑顔で言われたら…!」
「鼻血もんだな。ティッシュ必須だ!」
………た、確かに。
そりゃ悩殺スマイル(レアだから余計に価値が高い)見せられたらやばすぎる。
ううー。
そうこうしてる間に授業は終わりかけで教室に戻ることになった。