東條くんのとある1日

ふわふわと会話を続けるふたりを見てると呼吸が出来ないくらい苦しくて、たまらなくなって俯く。



「なあ、なにあれっ」

「東條くんがー!」

「え、ちょ、まじか!」

「東條が福原以外の女子と話してる…!!」



クラスメイトたちがこそこそと話しているのが聞こえてきて、まざまざとその現実を突きつけられた気がした。

東條くんが、女の子と話してる。ただそれだけ。それだけで苦しくなるなんて私ってどれだけ重たい人間なんだろう。


そう思うけど、だってあの東條くんが。眠いとかだるいとか言って女子をガン無視する東條くんが、にこやかにあの子とは話す。


づきづきとえぐるような痛みが胸にあってたまらなく情けない気持ちになった。


見たくない。聞きたくない。私にだって、あんなに優しくないくせに。

そもそも。




「(東條くん、甘いもの大好きなくせに。)」





なんでわざわざああ言って断ったんだろう。あの子を傷つけたくないから?

机にうつ伏せて、こっそり泣いた。心臓が痛くてたまらなかった。










PM2:53
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