東條くんのとある1日
AM8:00




「うわーお」

「………。」


ばさばさっと紙束が落ちる。どれもファンシーで可愛らしい便箋に丸っこい字。

それらをしゃがんで無言でかき集める東條くんはちょっと疲れてるように見えた。




「今日はまたすごい数だね!いつもの倍くらいじゃないっすか」

「……。」

「あ、わかった!体育祭効果かー!東條くん、すごかったもんね。リレーのアンカーで陸上部ごぼう抜き」

「……。」

「なるほどねえ。確かに惚れちゃうわな。かっこいいもんなー」

「………。」




週3ペースで告白されて、それより頻繁にラブレターだかファンレターだかが下駄箱に届く。

それが全国でも有名なマンモス校であるこの高校の一番モテる男、東條くん。







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