私に、できること【長編/未完】
「ねえ?」
…はっ?!
たぶん、<あの子>の声。
“見ずに”書いたノート。
あまりにびっしり、
しかも丁寧に書いてあって、
見入ってしまっていた。
「…そんなにノート見て、
どうしたの?」
震える声で、言った。
「ああ、ごめんごめん!
まだ、帰らないの?」
「…そろそろ、帰ろうかな」
「じゃあ、
一緒に帰ろっか!」
すると、なぜか考え込む
その子。
ずっと経って、
「…うん」
なぜか、
どこか不安そうに、
か細い声で、
でも笑顔で、そう言った。