私に、できること【長編/未完】



「ねえ?」

…はっ?!
たぶん、<あの子>の声。

“見ずに”書いたノート。
あまりにびっしり、
しかも丁寧に書いてあって、
見入ってしまっていた。



「…そんなにノート見て、
どうしたの?」

震える声で、言った。

「ああ、ごめんごめん!
まだ、帰らないの?」

「…そろそろ、帰ろうかな」

「じゃあ、
一緒に帰ろっか!」

すると、なぜか考え込む
その子。

ずっと経って、

「…うん」

なぜか、
どこか不安そうに、
か細い声で、
でも笑顔で、そう言った。



< 4 / 137 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop