私に、できること【長編/未完】



「…水野さん…だよね?」

だれもいない、はずの
放課後の教室。
瑠璃が先生に呼ばれたと
いうから、待っていた。

今日は、そういえば
この子がいた。
みんなが帰っても、
帰ろうとしないで、
だれもいなくなるのを
待っていたみたい…。



「あの…はじめまして。
私は、やまなか しおり って
いいます。

…突然なのは、わかるけど、
その、友達に…」

おずおずと話す、その子。



「…いないの?」

「…え?」

「友達…。…あなたも?」

ゆっくりと、頷(うなず)く。



< 68 / 137 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop