私に、できること【長編/未完】
「…水野さん…だよね?」
だれもいない、はずの
放課後の教室。
瑠璃が先生に呼ばれたと
いうから、待っていた。
今日は、そういえば
この子がいた。
みんなが帰っても、
帰ろうとしないで、
だれもいなくなるのを
待っていたみたい…。
「あの…はじめまして。
私は、やまなか しおり って
いいます。
…突然なのは、わかるけど、
その、友達に…」
おずおずと話す、その子。
「…いないの?」
「…え?」
「友達…。…あなたも?」
ゆっくりと、頷(うなず)く。