私に、できること【長編/未完】
15・「わからない」(p91~97)
自分でも、
何を思っているかは
わからない。
ただ、なにか、
言いたい衝動に駆られて、
浮かぶ言葉を、
声にしてみる。
「私たちは、
なんで 出会ったのかな。
運命だったのかな。
ううん、そんなの、
あってもなくても同じ。
偶然、同じ教室の
生徒だった。
ただ、それだけ。
なんで瑠璃だけが、
こんな目にあうのか、
わからない。
でも、それは、
運命とかじゃなくて、
…理由なんて、ないんだ。」