ロマン飛行
しばらくは公園でのステージはやめてまり子の世話だけに専念する事にした



稽古は欠かさなかったけど 今はまり子を優先させたかった



うちに帰るのが毎日楽しみになった



そのうちに秋が来て冬が来た



クリスマスの飾り付けをしていたとき急に産気付いたまり子が紀子に救急車を呼ぶように頼んだ



すぐに車は来た



大丈夫?


まるでそれは夫が妊婦の付き添いをしているかのようだった


病院につくと分娩室に入れられて
紀子は待合室でイライラしながら待っていた



赤ん坊がなく声が聞こえた 「オギャア」



元気な男の子ですよ


顔をみたら猿の赤ちゃんだった



まだ手をみたら小さくてその手には希望が握られていた



う ま れ た



可愛らしいまり子の面影があった



私たちも生まれたときはこんなに小さかったんだね



しばらく一週間くらい入院だって



そっかあ
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