史上最悪最低男
きっつい香水の匂いで鼻が利かなくなる。
くっせぇな…。
「今日はここまで。」
さらに深くしようとする鏡を止めて立ち上がる。
「えぇ~?どこ行くのよぉ??」
オマエがいないとこ。
「ん~、オレマジメだからさ。授業出るわ。」
話すとき、僕は一人称が『オレ』になる。
何か言いたげな鏡を置いて僕は屋上を下りた。
ベタベタする唇を腕でゴシゴシ拭う。
桃花はメイクとか無縁だから、っていうか
肌きれいだしする必要ないから
当然グロスをしてない。
あのベタつき感が僕は苦手だ。