史上最悪最低男
「ふぅん…。そうなんだ。」
僕は再びCDに目を移す。
「『ふぅん』じゃねぇだろ。仮にも彼女だぞ。」
「『仮』じゃねぇよ。」
なんだ『仮にも』って。
ちゃんとした彼女だっつーの。
「だったらもっと安心させてやれ…「まだいいんだよ。」
まだいいんだ。
「は?…なにが??」
「あいつはまだ…言わないから。」
そう。
泣きそうな顔で僕に聞くうちはまだ大丈夫なんだ。
もっと、泣いて、とり乱してほしいんだ。
僕を大好きだって愛してるって
全身全霊で叫んでほしい。