史上最悪最低男
わたしは千紘の隣で寝ることなんてできなかった。
眠れなかった。
千紘が穏やかな寝顔が
とても綺麗で、そしてその反対に
なにも悩みがないように眠る彼が
とても悲しくて。
とても悔しくて。
「……もう起きてたの?」
服を着始めていると寝起きの声がうしろから聞こえた。
今日初めてちゃんと聞いた千紘の声。
その声を聞くと涙が出た。
悔しい。
悔しい。
なんで…なんで
わたしは本気なのになんで千紘はいつもっ……