史上最悪最低男

思いっきり右手の拳をテーブルに叩きつけると

パシャッとアイスティーが零れた。



「千紘!!あなたいつも怒ると机叩くのやめ…


「なに、あんな昔の話あいつにしてんだよっ!?

もうてめぇは、その腹の子どもと旦那と幸せに暮らしてんだろっ!?

もうオレをふりまわすのやめろよっ!!!」


部屋中に響き渡る僕の声。



「何をそんなに怒ってるの。

わたしはただ言っただけよ。

わたしと千紘が体だけの関係だったこと。

わたしと千紘がお互い想いを口にしなかったことをね!!」


美柚は綺麗な顔を歪ませていった。


「千紘って桃花ちゃんに想い伝えてないでしょ?

だから意地悪しちゃったわ。

『千紘は好きな女の子には一途』ってね!

そしたらあの子、固まったまま。

あなたのトラウマも知らなかった。

幸せな子ね!!」
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