史上最悪最低男
「キモイって…。おまえ本当口悪ぃな。」

「そんなこと、わざわざ言わなくても分かってるっつの。

で、桃花はいまどこいんだよ。」


まだ言いたげな雷基を遮って、僕は言った。



「今いる場所なんか知らねぇよ。

ただゲーセン行って、時計台の下で話しただけ。」



「家まで送ってねぇの?」

いくら明るいからといえ

いくら親友の彼女といえ、家まで送れよな。



「や、送るつもりで一緒に帰ったんだけどさ。

一人で行きたい場所があるって言ってたからさ。」


行きたい場所?


「まぁ、そこからは自分で探せよ。彼女なんだし。」


「雷基ってさ、桃花が好きな訳?」


ふと、思ったことを言ってみた。
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