まだ私たちの間につける名前はない。
目を覚ますと部屋には誰もいなくて、無性に寂しくなった。
それがどう言う事なのか、分からないほど子供ではない。
壁を作られた気がしたなんて、なんて自分勝手な言い分だろう。
呆れられてしまった。
軽蔑されたのかもしれない。
幼なじみだから大丈夫…なんて、大丈夫で済ませるつもりなんてきっと私にはなかった。
あわよくばの下心。
気づかれてしまっただろうか。
自分がとても情けない。
こんな気持ちに気付きたくはなかった。
私、千尋が好きだ。
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