まだ私たちの間につける名前はない。
適当な居酒屋に入って雅弘にメールを入れる。
先に飲んでるね、と言う私に、え ずるい。と一言で返って来る。
『よし、最初は生?』
「え、…梅酒で」
『可愛いな』
「弱いんだもん」
違う男友達にだったら、最初から可愛いお酒なんて許さない私だけど、千尋は特別。
千尋への特別扱いは昔から同じで、ずっと変わらない。
刷り込みか何なのかは分からないけど、千尋には守ってあげなきゃいけない、
そんな雰囲気があった。
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