龍奇譚-彼の想い-





洗面所に着くと、水を流し顔を洗う。



朝方の冷たい水は起き抜けの顔には刺激が強いが、

その分だけ気持ちが良い。





顔を洗い終わり、タオルで顔を拭いていると、



「……あ、お兄ちゃん……おはよう…」



後ろから、真琴が目を擦りながらやって来た。





………何か、さっきまでの俺と被るんですけど……





洗面台を明け渡しながら真琴を見ると、

肩まで伸びた癖のある髪の毛が見事に爆発しているのが目に入った。





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