龍奇譚-彼の想い-





そこは、以前話を聞いた時と同じ場所、要さんの向かい側だった。





俺は結人くんの親切を無下に出来るはずもなく、

そこに座るために歩き始めた。



部屋が広いため少し歩かなければ座る事が出来ないのだ。





「お兄ちゃん……?」



その時、要さんの低い疑問の声が聞こえてきた。





………ヤバイ……



嫌な予感が……





今まで、龍宮に抱き付こうとしていた要さんがこちらを振り返った。





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