龍奇譚-彼の想い-
「いや、峰が昼飯ないらしくて、何かあげようかと思ったんだ」
「………そう言う事………」
司は箸を取ると、それを逆さに持った。
そして、迷う事なくいなり寿司を挟むと、弁当箱の蓋に2つ並べた。
「………はい」
「……………は?」
「欲しいんでしょ……?」
「良かったな、峰!!!司のお母さんの飯、すっげー旨いんだ!!!!!」
―――……あれ……?
ちょっと……待てよ………
俺、今何て言った……?