龍奇譚-彼の想い-





――――――………



「着替えたか」



更衣室から体育館に戻ると、

俺たちに気付いたキャプテンが近寄って来た。



その手にはボールがある。





「はい」



俺がそう返事すると、

キャプテンはボールを前に突き出し、手を離した。





――――ダンッ



するとボールは床にぶつかり跳ねた。



そして、跳ねたそれを俺は反射的に受け取っていた。





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