龍奇譚-彼の想い-





風が吹き、雲が流れ、月が顔を出した。



月光が屋上に佇む人物を照らし出す。



直ぐ目の前に立つ彼。





そんな彼の姿が異質なものへと変化していた。





触ったら柔らかそうな獣耳。



腰から出ているのはフサフサとした尻尾。



そして、猫の様に瞳孔の細められた瞳。





「峰……お前………」



言葉が上手く出て来なかった。





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