龍奇譚-彼の想い-





リョクの背からそこに降り立つ。



ふわっと、足元を風が撫ぜる。



生暖かい風が。





その風から、洞窟の中の空気が歪んでいる事を間接的にだが感じ取れる。



恐らくは、この空気の悪さが彼女を脅かしているのだろう。





「リョク」



私がそう言うと、リョクの体が光に包まれ一振りの刀が現れる。



それは、 以前クロワを葬った時と同じ刀。





< 602 / 682 >

この作品をシェア

pagetop