龍奇譚-彼の想い-
ま、私はほとんど教えてはないけど。
ただ、見ていただけ。
たまに聞かれる事に適当に答えただけでね。
そう、適当にね。
そんな事を考えていると、リョクが話し掛けてきた。
『司。少し、我は離れる』
「何かあった?」
『凌の所にな』
「分かったわ。気を付けて」
私がそう言うと、刀が霧散して手の中から離れる。
そして、光の粒子となり、元来た道を戻る様に洞窟の外へと向かって行った。
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