龍奇譚-彼の想い-
無数の炎が全て司に向かって行く。
勢い良く向かって来る狐火に司は至って冷静に対処する。
それを見ていると、咄嗟に体が動きそうになる。
だが、司の瞳が俺を捉え、動きを鈍らせた。
「そこに居なさい」
とでも言っているかの様な瞳。
結界を張る様に言ったのだ。
ここに居るのがベストなのかも知れない。
けど、どうにか彼女の手助けが出来ないかと頭の中はフル回転していた。
その間にも彼女たちは続ける。