龍奇譚-彼の想い-
目の前に立つ峰。
その姿に気逃れしてしまうが、そうも言ってられない。
司の言う通りにしなければ後が怖い。
「峰。一旦、落ち着こう。そうすれば、峰の母さんの事も分かるだろうから」
「……!!!」
一瞬、殺気と纏う霊力が強まったが、俺の目を見た峰。
俺の目を見て、何かを感じ取ったのか。
風が一陣足元を吹くと、峰の変化が解かれていた。
獣耳も尻尾もない。
学校での姿に戻っていた。
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