龍奇譚-彼の想い-
門を潜り、玄関までの道のりを歩く。
ここもまた、何度も通った道。
石畳みのそこを、司と並んで歩いた。
その途中で要さんが何度も邪魔して来たのもいい思い出だ。
その度に司が素早い反応で反撃を喰らわしていたのも……
それでも、諦めない要さんには脱帽の域だ。
何でこんなにも、ここで起きた記憶を思い出しているのか。
自分でもよく分からなかった。
いつもは居る司ではなくて、峰だから変な刺激を受けたのか。