龍奇譚-彼の想い-
その言葉さえ、意味が分からない……っ!!!
この家で過ごす?
何を、何を言ってるの司は……!!!!!
「つ……っかさ!!!!!」
開け放たれた状態の襖に手を掛け、叫ぶ。
ゆっくりと、司が振り返る。
黒い、漆黒の瞳が俺を捉える。
不覚にも心臓が跳ねた。
逸らすことの出来ないその瞳は俺の心を捉えて離さない。
いや、俺自身、その瞳から逃れようとは思わない。
いつまでも、彼女のその瞳に捕らわれていよう。