龍奇譚-彼の想い-
お兄ちゃんはそれだけを、言うと、
「またね、結人くん」
ぼくに手を振ってお家を出て行ってしまった。
もう。
なんで、みんなぼくの質問にちゃんと答えてくれないの?
もういいもん。
夢で見るもん。
ぼくが見れるのは過去とか未来ばっかだと思ったら大間違いだよ!!!
その気になれば、人の気持ちだって見れるもん!!!!!
……多分。
ううん。絶対に見るんだ!!!!!
そうすれば、お姉の気持ちもお兄ちゃんの気持ちが分かるでしょう。
ぼくは決意を新たに、自分のお部屋に戻ると布団に潜り込んだ。
第二幕 E N D