正の数【せいのかず】
「ん…?」
気がつけばもう朝だった
「今日、取りに行かなきゃなーってあれ?」
机の上にカラオケ店に置いてきた筈の
クロいノートがある

「ん…?純が入れてくれたのか?まぁいっか」
《きゃはは》

学校で雅也の話について
俺たちは警察にその時もめ事が
なかったのかと聞かれ、俺は
「とくには…」と答えた
「うっ…雅也ぁ…」

別のクラスを覗くと
雅也の彼女が泣いていた
そう言えば、彼女が出来たって言ってた
気もする…

彼女は俺に気づいて近づいてくる
「ねぇ雅也の日記は…?」
目を腫らして手を伸ばす彼女に俺は
鞄を漁ると出てきた真っ黒いノートを
渡した



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