正の数【せいのかず】
「隼輝ー!今日はがんばろーな!」
純が体育着で俺の家まで迎えにきた
「絶対金よ!」母さんも張り切っている
だが、どうも昨日のことが気になって
仕方がなかった。

純に話しても信じてくれなさそうだし
比奈に言ったら怖がられるだけ…
なんか、おれって結構寂しい奴なんだな
って今思った

ノートは絶対に家に置いてきたし
大丈夫だろうと俺は思った

安心していた時間は短かった
「おい!隼輝ー!お前律儀だなー」
「はぁ?何がだよ」
「ほら、ノート持ってんじゃん」

「えっ…」

絶対に家に置いて来たって…


すると、一人の女の子が叫んだ
流衣が優しく聞くと
また、正の数が増えていると言う

「隼輝でしょ!」
涙目になりながら、俺を睨みつける
その目に俺は竦んだ

「違うよ!」
「嘘つきー!」
そう言って女の子はノートのページを
破った



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