正の数【せいのかず】
《シンジャッタ、シンジャッタ》
《裏の子巻き添え食らったな》
《かーわいそう、かーわいそう》
《トモダチタクサンウレシイナ》

どこからか聞こえてくる
少女の声がクラスの子を脅かした

《アラカワ サチとウメダ ユミ》
「いやあああああ!」
「何で私もなの!?」
《シンジャッターーーー!》
その瞬間、雅也と同じように
二人の女の子は何かに強く引っ張られた
「助けてぇえええええ!」
「誰かぁああああ腕がぁああ腕がぁあ」








ボキっ

「いだいぃいい!いだあああああい!」
ボキッボキッ

無理矢理ネジあげられた腕と顔面は
もう、取り返しのつかないことになっていた

間も無くして、叫びも何もなくなった
ただただ、一羽のカラスが
悠々と空を飛んでいた

そして、俺らは完全に見た

女の子が二人の死体に向かって
ニヤリと笑っているのを
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