正の数【せいのかず】
始まりー
俺が住んでる村
朱鷺村《ときむら》
はじまりは五月の初め頃
大きな行事と言えば体育祭
校庭は、賑わっていた
「隼輝!」「いくぜ!」
特大ピラミッド
そう、組体操の練習に
高校2年の俺等は励んでいた
その中で一番背の小さい男の子
川元 純(かわもと じゅん)
そして俺は神谷 隼輝(かみや はやて)
小さい頃から一緒だった俺には
もう一人幼馴染みがいた
「おおー!成功したね!」
彼女は小宮 比奈(こみや ひな)
「本番もこの調子でがんばろーな!」
『おー!』
教室に戻って着替えている俺の目に映ったもの
校庭に立っている一人の少女
俺が目を離してもう一度見ると
少女は校舎に近づいていた