正の数【せいのかず】
烏が何かをつついている
皆が言葉を失う

「圭子…卓人…尚希…っ」

烏のつついていた物は
無惨にも白い物が見え隠れしている
三人の死体だった

しかも…あのポーズ…
雅也…や祐、由美と同じポーズで死んでいる
そして、三人とも指がない

地面にはうっすらと
【ごめんなさい…ゆるし…】と書いてあった

どうやら、美鶴の妹の復讐と言うのが
本当のようだ

美鶴はにやりと笑うと
くるっと向きを変え
彼等の指を拾い
一つ一つ並べてみていた

「みてよ…これ」
「美鶴なにやってんだよ」
「警察…!」
「警察には行かない方がいい」
「はぁ!?」
「疑われるのは俺たちだ」

美鶴のその言葉に
皆が生唾を飲んだ

もしも…あの時引き止めていれば…
三人は変わっていたかもしれないのに…

ごめんなさい…
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