正の数【せいのかず】
「俺は今日世維のところに行ける!」
狂ってる…すると美鶴は不気味な笑みを
浮かべて俺をみた

純と比奈は美鶴を睨む

「世維を愛してる…」
《お兄ちゃん…お兄ちゃん…
お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん》
「世維!」
《お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん》

美鶴は笑ってる
笑ってるけど顔は強張ってる…
美鶴は死ぬのが怖いんだ…きっと…

「うぐぅっ!!!」

誰かのコンパスが美鶴の目に刺さる
刺さったままグリグリと動く
「ぁあああぐぐぅうう!」
ぼたぼたと流れる液体…
とても直視できない…

みんな、悲鳴をあげるのを我慢して
口元を抑えている

「よ…っ…なぁあ」
美鶴はまだ笑ってる


どすっ!

「ぐはっ!」
青い色のコンパス…
誰かのによく似てる…

いや、似てるはずもないだってそれは


俺のコンパスだったから…
俺のコンパスが…美鶴の目玉を抉る…
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