正の数【せいのかず】
「なんで僕が死ななきゃいけないんだい?」
「見てみろよ」

俺はクロいノートを投げる。

そこには所狭しと正の数が埋まっていた

流衣は膝をつき大声で泣き出した。

「なんで僕なんだょおぉおお!」

すると周りの皆が流衣を見てコソコソと
喋り出した。

「いつもいい子ぶってうざかったー…」
「やっと死んでくれるよ…」

「いやだぁ…僕の携帯は渡さないぞ!」

ぎゅっと自分の携帯を握りしめる流衣
俺は、自分が生き延びたい一心で
携帯を取り上げた。

「ぁああああああああ!」

鳴き声は嗚咽交じりとなり
汚く響き渡った。

俺は電話番号を打って行く
080-427-427…と

「ほらよ…」

「お前らも道ずれにしてやる…」
「させねぇし…黙れよ…」

ギコギコギコ…

「ぁああああああああああ
いだい!!!!いだぃ!!!
やめてぐれぇええええええ!」

比奈が流衣の手を包丁で切り出した

皆は顔を背ける
比奈は流衣の耳に携帯を押し付ける
少しだけだが俺にも聞こえた。
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